kawabatas技術ブログ

試してみたことを書いていきます

Google Cloud Next in Tokyo '18 参加レポート

9/19,20 の2日間にわたって開催された Google Cloud Next in Tokyo '18 に参加してきたので、 講聴したセッションの内容や感想、全体を通じて感じたことを報告します。

共有しようと思ったこと

  • AutoML を利用すれば、コードを書かずに、カスタムモデルを作れる
  • Cloud Armor を利用すれば、DDos 攻撃元の IP は自動的にブラックリストに登録される、SQL インジェクションのルールもある(160パターンに対応している)
  • GCP はオンプレや他クラウドを利用している、ハイブリッドやマルチクラウドの企業が、管理を一元化できるようにしようとしている
  • Unity は Google Cloud と協力して、ゲームサーバーも開発・運用できるようにしようとしている
  • Kubernetes の各種リソースの概要や挙動は知っていて当然になっている
  • Cloud Memorystore が東京リージョンに対応

Google Cloud Next とは

グーグルが同社のクラウドサービスに特化して新サービスの紹介を行う年に1回のイベント。

7/24~26 にサンフランシスコで開催され、そこでは「Knative」や「Cloud AutoML Vision」などが発表されました。

今回参加したのはこれの東京版。

GCPサービスの紹介や、活用事例のセッション、展示ブースなどがあり、ビジネス向け、開発者向けで、2会場設けられていました。

講聴したセッション

1日目 基調講演

https://www.youtube.com/watch?v=p7dclQSaDbo&t=6s

Google のミッションは情報を整理することで、Google Cloud のミッションはそれをみなさんが使える基盤を提供することだそうです。

Cloud AutoML Vision, Cloud AutoML Translation を利用したデモがあり、コードを書くことなく、専門性に特化した画像分類、翻訳のカスタムモデルを作成できることがわかりました。

Stackdriver によるモニタリング入門

Monitoring, Logging, Error Report, Trace, Debugger, Profiler の紹介でした。

Debugger は、本番環境に影響を与えず、スナップショットをとり、その中でブレイクポイントを挟むことができたり、デプロイなしでログポイントを追加できたり、すごいなと改めて思いました。初めて聞いた時は、信じられませんでした。

また、Profiler[ベータ]で提供されていることを知りました。

近々、Stackdriver Service Monitoring というマイクロサービス間の監視をメッシュ状の図で確認できる機能も追加されるようです。

詳説!コロプラの大規模クラウドマイグレーション手法の紹介

コロプラが全てのタイトルをGCPへ移行する決断をしたこと、その手法の紹介でした。

新規のタイトルは GKE,Spannaer,Spinnaker を使っていること、SREチームを設立したことも紹介されてました。

午後は Google Cloud INSIDE Games & Apps @ Next '18 に参加しました。

Agones: Scaling Multiplayer Dedicated Game Servers with Kubernetes

Kubernetes 上で、専用のゲームサーバー構築する Agones という OSS の紹介でした。

FPS ゲームで専用のゲームサーバーの pod が立ち上がり、遊ぶデモがありました。

Google Cloud Platform Japan Blog に記事があったので、読んでたはずですが、全く記憶にありませんでした。

Google Cloud, Unity, and Our Vision

Google Cloud と Unity が協力して、Unity でゲームサーバーも開発できるように目論んでいるようです。

Unity Cloud Build, Unity Stackdriver を開発しているようで、ゲームサーバーのデプロイ〜運用監視もできるようになりそうです!

Google Maps Platform を活用したゲーム開発

Google Maps Platform API の紹介と、それを使った妖怪ウォッチワールドの開発秘話でした。

Google Maps Platform API では地形がわかるだけではなく、人が滞在しやすい場所もスコアリングしており、利用できるようです。

モバイルゲームでは使えるテクスチャが制限されるので、妖怪ウォッチワールドでは建物の高さを4つに分けて、高層、中層、低層、家屋のようにテクスチャを分けてるという Tips もありました。

Spanner から GKE、Spinnaker、そして SRE まで、コロプラが今挑戦していること

GCP 移行時に発生した問題(オンプレ-GCP間に Cloud VPN を使い、段階的に GCP に移行しようとしたが、VPN 通信のパケット上限に達してしまった)への対応方法(オンプレにプロキシを立てて、一気に GCP 側に流した)や、Spanner, GKE, Spinnaker の紹介でした。

コロプラは Spanner, GKE, Spinnaker という選択に非常に自信を持ってるなと感じました。

GCP機械学習で実現する優良ユーザーの獲得方法

モブキャストゲームスの「キングダム乱」というアプリにおいて、澪標アナリティクス(株)と協力し、「課金しやすいユーザにinstallしてもらう」ことに機械学習で挑戦したという話でした。

結果、従来の UAC と比較して、予測分析した UAC 経由で流入したユーザの売上は 5.2 倍になったようです。

数値感がわかりませんが、凄そうでした。

ゲーム業界向け Next '18 おすすめセッション完全網羅

ゲーム業界でも使えそうなGKE関連の紹介でした。

Knative のデモでは、http リクエストをトリガーに pod が立ち上がり、実行する様子を見ることができました。

2日目 基調講演

https://www.youtube.com/watch?v=RxdWzSolL9s

Cloud Armor で、自動で DDos 攻撃元の IP がブラックリストに登録されるデモや、sql インジェクションのルール(160パターンに対応)も追加できることがわかりました。

また、現在、80%の企業がハイブリッドやマルチクラウドのストラテジを採用しているそうです。

そして、クラウドプロバイダごとに、権限や仮想マシンの設定など管理方法が違うことが問題で、Google Cloud はこれを一元管理できるようにしようとしていることがわかりました。

GKE on-prem で東京プリンスホテルに立てた k8s クラスタを GKE 上のクラスタと同じように扱えるデモがありました。

フルマネージドデータベースサービス"CloudSQL"徹底活用法

メモリ、CPU の変更では3分ほどのダウンタイムがある、容量の変更ならダウンタイムなしとのこと。

また、日々、InnoDB のパラメータをチューニングされていることがわかりました。

現在は、CloudSQLProxy で接続していますが、近々、プライベートIP で接続できるようになるようです。

Cloud Functions ではじめよう、サーバーレスアプリケーション開発

Cloud Functions の紹介でした。

CASH を支える Google Kubernetes Engine

開発速度を上げるために、ブランチごとに開発環境を立ち上げれるようにされてるようです。(なかなか力技だった感じがしました。)

またTV放映時に、CloudSQL のコネクションが枯渇した話しもしてくださってました。(GCP コンソールで 500 まではあげれるようで、それ以上はサポートに問い合わせらしい。)

Stackdriver Logging と周辺サービスを使用したシステムモニタリング

Pairs で Stackdriver をどのように利用しているかの紹介でした。

デプロイ後に、アクセスログへのリンクを貼っているそうで、マネしようかと思いました。

GCE のベストプラクティス〜これ知らなかったと言わせます〜

このセッションは GCP 使うなら見ておいた方がいいと思います!

11のTipsの紹介と、LBのバランシングがどのように行われるかの説明がありました。

  • 1.[ベータ]Docker on GCE
  • 2.偶発的なVM削除の防止
  • 3.[ベータ]ライブマイグレーションのシュミレーション
  • 4.ファイアウォールでは、ネットワークタグを使おう
  • 5.ディスクのパフォーマンス(容量とCPU)
  • 6.[ベータ]Regional Rersitant Disk
  • 7.VMのネットワークスループット
  • 8.GCEで利用するサービス(HTP, DNS
  • 9.[GA]OS Login
  • 10.[ベータ]ディスクを定期的にバックアップ
  • 11.VMインスタンスのスコープ。スコープは全開でIAMで制御する

徹底解説 GCP 環境へのセキュアなアクセス方法

近々、VPC Service Control が出て、VPC でセキュアにアクセス可能になるそうです。

VPC 内の GCS と VPC 外の GCS のコピーなどのデモがありました。

感想

行ってよかったです!

ブログ記事で読んだことがあっても、頭から抜けてしまっていたサービスに気づけましたし、これからもっと色々なことが簡単に実現できるようになるなと思い、すごく楽しくなりました。展示ブースでは、気軽に質問ができたので良かったです。

ML は今まさに黎明期で、専門でない人がビジネスにどのように活用できるのか、模索中な感じがします。キャッチアップして行きたいです。

自分が登録した時点で、既に満席だったセッションの動画も公開されそうなので、見ようと思います。